管財事件と同時廃止事件
自己破産に関連して、管財事件や同時廃止事件という言葉を耳にすることがあると思います。
●そもそも破産とは?
破産とは、債務の弁済が不能になっている債務者につき、当該債務者の財産を管理・換価して、総債権者に公平に配分することを目的として行われる法的手続のことを言います。
破産=借金免除ではありません。
●同時廃止事件とは?
破産者に目ぼしい財産がない場合、換価と配当の必要がありませんので、本来の意味での破産手続は不要です。
この場合、破産手続開始の決定と同時に破産手続を廃止する決定がなされます。
これを同時廃止事件と呼んでいます。
●管財事件とは?
繰り返しになりますが、破産手続とは、破産を申し立てた者(破産者)が所有する財産をお金を換え(換価)、これを債権額に応じて債権者に平等に分配(配当)する手続を言います。
これらの手続は、裁判所が選任した破産管財人の主導の下で行われます。
換価・配当が必要な財産があり、破産管財人が選任される破産事件を俗に管財事件と呼んでいます。
●管財事件になる場合
仙台地方裁判所では、次のような場合に管財事件とされるようです。
- ・ 価値のある財産(目安としては20万円以上)がある場合
- ・ 免責不許可事由の程度が著しい場合(免責調査が必要な場合)
- ・ 使途不明な借入れが多く、破産管財人による入念な調査が必要とされる場合
管財事件と同時廃止事件には様々な面で違いがありますが、破産者自身にとっては次のような違いがあります。
●予納金
管財事件と同時廃止事件との最も大きな違いは予納金(自己破産申立時に裁判所に納めるお金)の金額です。
管財事件では、原則として弁護士が破産管財人に選任されますが、破産管財人もボランティアではありませんので、報酬が必要になります。
管財事件の場合、破産管財人の報酬等に充てる費用として数十万円の予納金を裁判所に納めなくてはなりません。
仙台地方裁判所の場合、債務の額や財産の多寡にもよりますが、管財事件の予納金は最低30万円と言われています。
これに対して、仙台地方裁判所の場合、同時廃止事件の予納金は10,290円です。
予納金の額は各地の裁判所によって異なりますので、管轄の裁判所に確認してください。
●管財事件の場合の制限
管財事件においては、破産者に対して下記のような制限が課されます。
- 居住制限(引越しや海外旅行には裁判所の許可が必要)があります。
- ・ 免責不許可事由の程度が著しい場合(免責調査が必要な場合)
- ・ 郵便物が破産管財人に転送される場合があります。
●どちらになるかは裁判所が決める
たまに「こうすれば管財事件を避けて同時廃止事件にできる」という話を聞くことがあります。
破産者側の準備や書類の書き方である程度の選択ができるのは事実ですが、管財事件か同時廃止事件かは、最終的には裁判所が決定します。
管財事件(高額な予納金が必要)を避けるために財産を隠したり、浪費の事実を隠したりするのは言語道断です。












